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■ 実験検証 コリレーション (実 験モーダル解 析とシミュレーションの相関確認)
  実験検証 コ リレーション
実験モーダル解析の結果と、シミュレーションの固有値解析がどの程度一致しているか確認を行います.
ここでは、シンプルな構造物での実施例を示したいと思います

手順
1.対象構造物の準備 今回は薄い鉄板
  実験の準備、材料特性(ヤング率の測定確認)、薄板の傷の有無もデータから念のため確認
2.実験モーダル解析
3.シミュレーションによる固有値解析
4.コリレーション

使用機材
・ 実験対象構造物−薄板
・ 計測装置 cWCA(A&D社製)
・ ハンマー (Dytran社製)
・ センサー (Dytran社製)
・ 実験用治具 (対象物をフリーフリーにする)
・ はかり(ヤング率のため正確な質量が必要)
・ ヤング率計算ソフト (EXCELのマクロ)
・ 実験モーダル解析ソフト (ME'scope)
・ シミュレーションソフト
・ コリレーションソフト (NVS-Coorelation)

1.対象構造物 お よび ヤング率の測定
  シンプルな構造物として以下の薄板を準備

 材料: 鉄
 大きさ: 300mm × 30mm ×1.2mm(厚さ)
 重さ:  84.18g
 実験条件:フリーフリー

最初の準備
● 最初に材料特性を確認. 簡単な実験でヤング率を求めると、以下のような結果となった
ヤング率: 190Gp 鉄としては柔らかい. 
密度: 7794Kg/m^3

※ 樹脂等の材料の場合は、出来るだけ最初に材料特性は確認すべきである.
ここでヤング率を求めると他にも分かる事がある.
材料が積層材、複合材、異方性等の場合、非線形であるが、その度合いを知ることが出来る事である.線形解析でもほとんど問題が無いのか、かなり問題がある か傾向が分かる.


● また構造物に問題が無いか確認を行った.実験計測データの結果を考察し、この材料は均一な厚さであり特に問題無いことも確認できた.

※ 今回の対象構造物においては厚さが不均一だったり、どこかに傷があると、実験計測データの結果に兆候が見ることができる

2.実験モーダル解 析
薄板を以下のポイントで計測し、実験モーダル解析を行った


曲げモードと捩れモードが存在する
モード番号 固 有振動数(Hz)
1 67.9
2 187
3 367
4 423
5 609
6 851
7 914


3.シミュレーションによる固有値解析
今回はShell要素で作成

固有値解析にて、以下の結果が得られた(剛体モード除く)

モード番号    固有振動数(Hz)
1
68.034
2
188.212
3
370.834
4
412.676
5
616.899
6
832.722
7
928.388





4. コリレーション

実験データとシミュレーション結果のコリレーションを取る
(1) 最初に実験とシミュレーションデータをコリレーションソフトでインポートする
(2) 実験とシミュレーションの座標位置相関を取り、同じ座標位置を見つける
 今回の形状の単位は、実験形状(m)、シミュレーション(mm)として作成した.
 単位や、方向は、実験とシミュレーションで違うことが良くある.(ソフト内で対応のため問題なし)

※ 例えば、構造物全体の中の一部の部品について評価する場合、シミュレーションでは前方をXとして部品は45度傾いている 場合、シミュレーションではそ のまま45度傾いた状態で作成することが多い.それに対して実験では、センサーを取付やすい方向で座標系を決めることが多い.そのため、座標系が一致しな い場合もある.
 
(3) MAC計算
実験結果とシミュレーション結果のMACを計算する

MACの意味
上図において、FEM軸は1から7のモードがあり、テスト軸も1から7のモードがある.
FEMの1番目のモードとテストの1番目のモードが1.0に近い値を示していることが確認できる.
また、FEMの2番目とテストの2番目、FEMの3番目とテストの3番目、、、が高いことが分かる.
値が1.0に近い場合はモードの形が同じ、0に近い場合はモードの形が違う事を意味している.
理想的には上図のように対角項が1.0でそれ以外が0であれば 実験結果とシミュレーション結果が一致していることになる.

※ 対角項の順に並んでいない場合、高い値が全く見られない場合、一部のみ高い値が見られる場合、等、いろいろな結果が得られ るが、それは一致していないことを示している.
原因としては、いろいろ考えられ、シミュレーションの精度が実物と一致していないケースが多いが、実験データの精度が良くない場合もある.このMACから ある程度の問題点の傾向の判断は可能である.


(4) 結果の確認
今回の結果は、簡単に確認すると、この程度の値と思われる
シンプルな基本構造物のため、モードも周波数もほぼ一致していることが分かる


コリレーションで一致する条件は、信頼できる実験データ、信頼できるシミュレーションデータが揃った時である.
一致しない場合、どのように判断するか?が難しいところである.そして、無理やり一致させる事も問題があり、一過性なものになってしまう可能性がある.設 計変数が一致していなければならない.

※ MACが一致するしないの見方は、MAC値が小さくても対角項にピークで並んでいる場合は、傾向が一致していると判断でき る.MACが1つしか立っていないなどの場合は、 実験とシミュレーションが一致していないため、信頼できないデータを元に設計を進めていることになる.

現状の精度を確認したい方はご連絡ください
現在の状況、問題点を洗い出し、
精度UPを行うことができます
5. 所要時間
今回の、一連の流れに要した時間は、約1時間20分だった.
(1)実験材料の準備、ヤング率の測定&計算、考察 : 15分
(2)実験モーダル解析(形状作成、データ計測、パラメータ抽出、確認): 35分
(3)シミュレーション(モデル作成、要素、固有値解析、確認): 15分
(4)コリレーション(各データ準備、コリレーション処理): 15分

今回一番時間が掛かったのは、このHP用に書き込む作業だった